
3月10日 藤沢市
久しぶりに和室らしい和室のある家を設計させていただいた。
〜我々の先祖は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように
陰翳を利用するに至った。日本座敷の美は全く陰翳の濃淡に依って生まれている。
庭からの反射光が障子を透かしてほの明るく忍び込む、、、
我々は何処までも、見るからにおぼつかなげな外光が、黄昏色の壁の面に取り着いて
辛くも余命を保っている、あの繊細な明るさを楽しむ。
我等にとってはこの壁の上の明るさ或はほのぐらさが何物の装飾にも優るのである〜
『陰翳礼賛』より引用